KTC GROUP50th

地域活動の高齢化解消をサポート!
名古屋国際学院と「藤が丘子ども食堂」との交流

2025.09.30

KTCグループは、社会課題の解決のお手伝いをすることをパーパスとして掲げています。今回は地域の課題解決をサポートする活動を行っている日本語学校「名古屋国際学院」を特集します。人材育成・学校事業に属する名古屋国際学院は「藤が丘子ども食堂」との交流ボランティアを通して、さまざまな地域活動をサポートしています。

名古屋国際学院と「藤が丘子ども食堂」の交流とは

 名古屋国際学院の学生(留学生)からの”地域の日本人との異文化交流”を希望する声がきっかけとなり、2023年1月から「藤が丘子ども食堂(運営:NPO法人セカンドライフサポート)」との交流がスタート。藤が丘地域は、高齢化による地域活動の担い手不足や人手不足を課題として抱えていました。「藤が丘子ども食堂」の運営スタッフとの交流を通して、名古屋国際学院の学生が地域活動に参加するきっかけを作ることで若手人材不足を解消し、名古屋市藤が丘エリアをより活性化させる目的で交流活動が開始されました。

 毎月の「藤が丘子ども食堂」との交流会では異文化交流をはじめ、地域の高齢者の方々を講師に招いた日本文化体験など、さまざまな日本語コミュニケーションを実施。名古屋国際学院の学生による藤が丘地域学区の清掃や、夏祭りの運営サポートなどのボランティア活動も行なわれています。また、名古屋国際学院の文化祭や卒業式へ「藤が丘子ども食堂」運営スタッフの方々を招待するなど、交流の場を広げています。

名古屋国際学院の学生たちと「藤が丘子ども食堂」の運営スタッフの皆さま

毎月開催される交流会に密着(2025年9月交流会)

 月に1回、名古屋国際学院の学生と「藤が丘子ども食堂」の運営スタッフの方々との交流会が開かれます。今回取材した2025年9月交流会(2025年9月16日、市営藤が丘荘4階集会室にて実施)には、名古屋国際学院の1年生19名と「藤が丘子ども食堂」運営スタッフ7名が参加。授業で作成した母国紹介の制作物を使って、自己紹介や出身地の紹介を日本語で行い、日々の成果を発表しました。学生にとっては、人生経験豊富な地域の方から話を聞くことができる貴重な経験となりました。また「藤が丘子ども食堂」運営スタッフの方々にとっても、異国で頑張っている若者と交流することで勇気や元気をもらえる機会となりました。

「藤が丘子ども食堂」代表木村さん、運営スタッフの皆さまからのコメント

名古屋国際学院の学生の印象はどうですか?
学生さんから元気をもらっているという感じですね。自分の若い頃を思い出したり、「こんなおじさん・おばさんでも役に立つんだ」と感動したりしています。
皆さん明るくて、日本語もお上手です。日本を選んで、わざわざ日本に来てくれたことがすごく嬉しいです。学生の皆さんの国のこともいろいろお話を聞いて、とても楽しい時間を過ごせています。
私は「正しい日本語の学び方」を改めて考えないといけないなって、日本語学校の生徒さんから気づかされました。母国語だからこそ、疎かにしてはいけないなと。皆さん、身近に日本語を感じる工夫をしながら学校生活を送っているのが、素晴らしいと思いました。日本語の上達もとても速いだろうなと思います。今日の交流会では、まず皆さんの国の地理を教えてもらうところからのスタートでした。私もたくさんメモを取っていたので「いったい誰の勉強会かしら?」という感じでしたが、他国のことを学べるとても有難い機会でした。
世界のさまざまな国出身の方がいらっしゃって、楽しいですね。今日話した学生さんはオーストリア人でした。今までオーストリアの方と話したことは無かったのですが、この交流会に参加するとそういう人と出会えるんですよね。地図上では知っていても実際は訪れたことのない国の人に、現地の人でないと分からないようなリアルなことが聞けるのが非常に興味深いです。いくつになっても学ぶことができて、面白いですね。


名古屋国際学院の学生が地域活動に参加していますが、藤が丘地域の方々の反応はどうですか?

盆踊りの運営サポートや公園清掃にも積極的に参加をしてくれています。ただ地域住民の方がまだ外国の人に慣れず、様子見する傾向があるのが現状です。ただ私たちのように日頃から定期的に交流していれば、外国人がいるのが当たり前になっていくはずです。今後も引き続き積極的に活動をしていき、藤が丘地域の皆さんともっと馴染んでいってほしいですね。特に藤が丘はジブリパークの乗り換え駅なので、海外観光客も多く訪れます。日本語学校の学生さんの活躍の場を作ったら、地域の皆にも喜ばれると思います。
今年の3月に卒業生の方たちとゴミ拾いを一緒にやりました。一緒にごみを拾うことで、日本の生活習慣や環境の綺麗さを学生たちが知ってくれる機会になったと感じました。やはり彼らも「地域の人たちに変な外国人だと思われたくない」という意識もあるみたいで、一緒にごみ拾いで地域を回ることで良い影響になったんじゃないかなと思っています。その後、卒業式にも参加させてもらいました。一生懸命に地域活動に参加してもらったことで、地域住民と同じく、藤が丘エリアに住む学生さんとして地域に定着して知れ渡ってきたのではないかと思います。

「藤が丘子ども食堂」代表木村さん(上左)と運営スタッフの皆さま

参加した名古屋国際学院の学生の感想

楽しかったです。日本語で伝えるのは難しかったですが、とてもいい人ばかりでした。難しい文法でも少しずつ分かるようになってきました。
地域の人はとても親切です。日本語は少し難しいときもありましたが、とても良い経験でした。今日はたくさん新しい言葉を聞きました。でもわからないこともあるので、もっと勉強します。とても楽しかったです。
楽しくて、面白かったです。たくさん言葉を話しました。いろいろな言葉でお話しできました。とても楽しかったです。自分の紹介もできましたが、日本の文化をたくさん聞けました。少しだけ覚えました。全部覚えるのはまだ大変なので、もっと日本語が上手になりたいです。

インタビューに答えてくれた名古屋国際学院の学生3名

名古屋国際学院と地元地域の方々との交流を取材しました。学生たちの日本語力や日本への知識向上はさることながら、地域に長年住む方々の生き甲斐や楽しみにもつながっていることが印象的でした。愛知県名古屋市藤が丘エリアは、海外観光客も多く訪れる場所です。名古屋国際学院の学生たちと地元の方々のより強い連携や協力によって、地域が異文化を受け入れ、さらなる発展につながる一助となれば嬉しいです。今後も活躍を見守ってまいります。

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