アノニマ・スタジオの本が
「書店員が選ぶノンフィクション大賞」
にノミネートされました
2025.10.16

KTCグループの出版・メディア事業に属する「アノニマ・スタジオ」は、「ごはんとくらし」をテーマとした出版レーベルです。食べること、住まうこと、子育て、旅、こころとからだ等、暮らしを少し豊かにしてくれる生活書を中心に、本づくりやイベントを行っています。「本当に届けたい人に届ける」という想いから、企画からデザイン、販促、流通まで信念とこだわりを持った「いつまでも読み継がれる本」をつくっています。そんなアノニマ・スタジオが刊行する本が、このたび「書店員が選ぶノンフィクション大賞2025」 にノミネートされました。
書店員が選ぶノンフィクション大賞2025とは
丸善・ジュンク堂書店をはじめ日本全国の書店員が、本年度中に発行されたノンフィクションのなかで最も「売りたい」と思う作品を選ぶ大賞。大賞候補作50作品がノンフィクション大賞にノミネートされました。優れた50作品の中から1作品を、「大賞」受賞作品として全国の書店員の投票により決定します。
2025年で3回目となる今回は、過去最多の書店が参加。2025年9月1日~10月9日まで、全国の丸善ジュンク堂書店で「ノミネート作品フェア」が行われていました。大賞受賞作品は、2025年10月17日頃に丸善ジュンク堂ノンフィクション大賞特設ページで発表予定です。
ノンフィクション大賞ノミネート作品 選考基準
・ドキュメンタリーやルポルタージュだけでなく、記録文学、自伝、評伝、考察、紀行文、インタビュー集、回想録など広い範囲を「ノンフィクション」と定義
・2024年6月~2025年5月に刊行されたものが対象
・日本語書籍に限らず、海外作品の日本語翻訳書も対象
以上の条件で全国の書店員から推薦作品を募り、その中から販売可能な50作品を選出
(引用:丸善ジュンク堂ノンフィクション大賞特設ページ、https://www.maruzenjunkudo.co.jp/pages/nonfic2025)
ノミネート作品『音を立ててゆで卵を割れなかった』
書名:『音を立ててゆで卵を割れなかった』
著者:生湯葉シホ
定価:1870円(本体価格1700円)
ISBN:978-4-87758-871-7
気弱で、繊細で、もがいていた。「食べられなかったもの」で振り返るエッセイ集
様々なウェブ媒体を中心にライティング、取材で実績のある⽣湯葉シホさん。幼少期から20代までにかけて不安でたまらなかった自己の内面を「⾷べられなかったもの」の記憶とともにふり返る、初の単著となるエッセイ集。繊細な心の機微を捉え、共感を呼ぶ30篇です。

著者:生湯葉シホさんのコメント
-ノンフィクション大賞ノミネートを聞いた時の率直な感想は?ぜひ喜びの声を聞かせてください。
昨年、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が大賞を受賞したというニュースを目にしていたこともあり、それほどの話題書が選ばれるような賞にまさか自分の本がノミネートされるなんて……!と率直に驚きました。ノミネート本50冊の推しコメントがどれもアツく、日々思いを込めて本を売ってくださっている書店員さんのおかげだなあと実感しています。今回のノミネートをきっかけに、新たに『音を立ててゆで卵を割れなかった』に出会ってくださる方が増えたら、本当に嬉しいなと思っています。
-初の単著である『音を立ててゆで卵を割れなかった』は、どのような想いやお考えで執筆されましたか?「食べられなかったもの」をテーマにエッセイを書いた理由などを教えてください。
アノニマ・スタジオの景山さんにお声がけいただいて本を出せることになったときに、ぱっと思い浮かんだテーマが「食べられなかったものを巡るエッセイ集」でした。子どもの頃から内向的だけれど執着心の強い自分の性格がいちばん活きるテーマかもしれない、と思った記憶があります。表題作にもなっている、静かな喫茶店で物音を立てることに遠慮してしまっていつまでもゆで卵が割れなかった……というエピソードは何かに書きたいなとずっと思っていたので、今回のような形で昇華できて嬉しかったです。
-どのような方に読んでほしいですか?
人前で何かを食べることに困難や恥ずかしさを感じた経験がある方はもちろん、子ども時代にあまりいい思い出がないという方にぜひ読んでほしいです。人の目を気にしすぎるあまり内心ばかりが饒舌になってしまったというタイプの方にとっては、(手前味噌ですが)何か刺さるものがあるエッセイ集になっているのではないかと思います。

アノニマ・スタジオ編集担当・景山卓也さんのコメント
ウェブに寄稿するエッセイや小説、取材記事に定評のある生湯葉シホさんの初の著書です。自身を気弱で常にまわりをおろおろと窺っている、けれど執念深いと形容する生湯葉さんが、個人的な「記憶」と「食べ物」を絡めて30篇のエッセイに仕立てます。当時の状況と心の動きを読み手に想像させる鋭い観察眼を持ち、篇ごとのテーマに沿って文体を作るのは連載や取材で鍛えた筆致力があるからこそ。「繊細さん」という⾔葉があるように、自分は⼈の目を気にしすぎているのかと悩んだことがある読者はいるはず。読み手の気持ちと記憶を受容できる内容です。

生湯葉シホさん、このたびはノンフィクション大賞ノミネートおめでとうございます。『音を立ててゆで卵を割れなかった』は、きっと誰もが体験したことのある出来事や感情が詰まっている本だと感じています。ぜひ皆さまもお手に取ってみてください。
約50年前に教育教材の出版・販売から始まったKTCグループ。現在は出版レーベル「アノニマ・スタジオ」として、今回のような素敵な賞をいただける本を世の中へ提供できていること、嬉しく思います。
出版レーベル「アノニマ・スタジオ」
https://www.anonima-studio.com/
丸善ジュンク堂 ノンフィクション大賞特設ページ
https://www.maruzenjunkudo.co.jp/pages/nonfic202